説明
旅行人編集部 著
1997年7月10日 発行
●はじめに
本書で紹介する「海洋アジア」は、タイ、マレーシア、シンガポール、ブルネイ、インドネシア諸地域で、いわば東南アジアの南部である。『旅行人ノート3 メコンの国』で取り上げた東南アジア北部の続編として制作された。
海のアジアへ───旅行人ノート4はマレー半島を南下して、東南アジアの海に浮かぶ島々へ向かう。アジアの他の地域で長距離列車に何時間も揺られたように、ここでは島々を渡る船に身をあずけなければならない。
東南アジアの島というと、経済発展したシンガポールや大人気になったバリ島などを思い浮かべやすい。近代的なビルの林立する東南アジアの大都会の姿など、今ではすっかりおなじみのものになってしまい、実際、数多くの日本人が毎年訪れている。
しかし、この海洋域はとてつもなく広く、そこにはさまざまな民族、宗教、文化、自然、そして歴史が広がっている。香料諸島として世界にその名を知られた マルク諸島、独特の葬式を行うタナトラジャの人々、インド洋の巨石文化の島ニアス、ウミガメが産卵しにやってくるマレーシア東海岸、ニューギニア高地の山 間民族などなど、実に多様な世界がそこにある。ふと立ち寄った島で、第二次世界大戦の日本軍の痕跡を見るかもしれないし、あるいは島の老人から日本語で話 しかけられるかもしれない。
本書は、この海洋域の全貌を見渡すための初めての案内書である。発展する東南アジアがある一方で、青く光り輝く海で人々はどのように暮らしているのだろ う。小さな飛行機に乗り、船のベッドで揺られながら、東南アジアの海を漂うように旅するために、本書が少しでも役立ってくれることを願っている。
1997年6月 旅行人編集室
WEB 管理 –
【読者はがきによるレビューのため、管理者が投稿しています】
●およそインドネシアを紹介した本はスマトラ、ジャワ、バリ島ぐらいしか載っていないが、この本は東の方の島も案内してくれているのでうれしかった。(O・R/36歳)